海外出張で驚いたこと
by 黒田九兵衛もう5年以上前のことです。欧州でのシェフなどのプロ向けの商談会で日本茶を出品展示しました。当社は煎茶の試飲提供しました。「日本茶かあ、冷めてるね」と言って来場客が試飲しました。「何だこれは?美味しい。日本茶はもっと渋いものだと思っていた。」ついでに、私はサンプルとして持っていたドライ納豆を提供しました。「これ納豆?これもいけるね。」そう言い残して彼は去って行きました。
その後10分ほどで彼は2人の仲間を連れてまたブースに来ました。さきほどの日本茶とドライ納豆を勢いよくテイスティングしていました。その日の夕方までに彼らは4回ほどブースに立ち寄り、「まだある?」とウインクして煎茶とドライ納豆を楽しんでいました。
彼らはマカロンで有名な某店のパティシエたちでした。日本茶に興味があるからここに来てと名刺の裏に書かれた場所に後日訪問しました。
そこはまた有名なシェフのレストランで、そこの厨房で日本茶をテイスティングすることになりました。彼らの知人のようです。ZENJIRO煎茶を一袋提供し、その店のスタッフが淹れたお茶を飲みました。ZENJIRO煎茶は高級茶なのでその国で売っている日本茶と比較してもかなり良いです。しかし、淹れ方が良くありませんでした。
紅茶のように熱湯で淹れてしまったのです。しかも水は硬水でした。
「商談会で試飲した味とはちょっと違うな。なんでだろう。」
海外出張で驚くことは、日本茶に関する知識を一流の店でもほとんど持っていないことです。熱湯で淹れてしまった時に、私は驚きの声をあげました。
「実際にやってみるよ。」そういって私はボルビックの水を取り出し、サーバーに水を注いで、使い捨てお茶パックに茶葉を入れてサーバーに落としました。ちなみにボルビッグは軟水です。
できあがるまでに、店の何人かが集まり、雑談をすること15分くらい。
「もういいかな。」そう言って水出しの煎茶をみんなに提供しました。
「美味しい!」彼らは感動していました。
レストランでは、コーヒーや紅茶の淹れ方に熟練したスタッフはいます。しかし、彼らは日本茶に関する知識を全く持っていません。この店では食後のドリンクに日本茶をリクエストするのは日本人のお客様かほんのひと握りです。しかし、その後、この店では日本茶が美味しいという評価につながっているそうです。
彼らは美味しさだけではなく、日本茶の健康効果をお客様に説明して喜ばれるのが楽しみだそうです。
海外のレストランに限らず、国内のカフェやホテル、料亭でも同じようなことが言えます。みなさん、料理やデザートには熱心に取り組みますが、最後の日本茶には無頓着です。最後の締めでがっかりするのは私だけでしょうか?
私たちは、このブログでお客様に喜んでもらえる正しい日本茶の知識や販売者にとっての必要な知識を伝えていきたいと思います。